ケジラミ症の解説 症状や感染経路・検査や治療について
ケジラミ症って、どんな病気?
- かなり激しいかゆみ
- シラミの一種である「ケジラミ」が、直接的な接触により陰毛に感染します。
- 性行為以外でも感染
- 性行為の際の接触感染がほとんどですが、接触の多い母子間、また毛布やタオルなどを介して、間接的に感染することもあります。
- 主として専用のシャンプーやリンスで治します
- 治療薬として認可されたシャンプーやパウダーを使って治します。
ケジラミは吸血性昆虫です。ケジラミの体は、少し茶色がかった白色で、形は円形に近く、触覚を持つ小さな頭部と3対の脚があります。体長は、メス成虫で1.0〜1.2mm、オス成虫で0.8〜1.0mmです。卵は灰色がかった白色で光沢があり、毛の根元近くに産みつけられ、セメントの様な物質で固定されます。卵は1週間程度でかえり、成虫になって死ぬまで約1ヵ月のサイクルです。その間に30〜40個の卵を産みます。ケジラミは他のシラミ類と同じく、激減していましたが、1990年代中頃から感染者数が増加の傾向にあります。人に寄生するシラミには、他に「アタマジラミ」や「コロモジラミ」があります。
どうしてうつるの?
(ケジラミ症の感染経路)
ケジラミ症は
- 「ケジラミ」は吸血性昆虫で、体長1mm前後のシラミの一種です。
- ヒトの陰毛に寄生して血を吸います。
- 感染した人との陰毛同士の接触で感染します。
- 陰毛以外にも、肛門周辺の毛、わき毛、胸毛、太ももの毛などに寄生することもあります。
こんなリスクもあります
- ケジラミは、単独でも48時間程度は生存している可能性があり、性行為でなくても、毛布やタオルなどを介して間接的に感染する場合があります。
ケジラミ症の症状って?
男性、女性、ともに同じような症状が出ます。
症状(男女共通)
ケジラミは主に陰毛に寄生しますが、肛門周囲、わき毛、胸毛などの体毛や、時には頭髪やひげにも寄生します。
主な症状
- 感染部の激しいかゆみ
※何も感じない人もいます。
※かゆみがあるが、湿疹は出ないのが特徴です。
※下着に黒色の点状のしみ(ケジラミの血糞)がつくことがあります。
家族やパートナーなど、他人へ簡単に感染するので、速やかな処置が必要です。
口周辺への感染
オーラルセックスによるのどへの感染はありませんが、口周辺のひげに感染する場合が考えられます。
その他の症状発生箇所
まつげやひげ、髪の毛にも感染します。まつげに感染すると、目やにのようにみえることもあります。
ケジラミ症を解決する
病院へ行く
明らかな自覚症状がある場合は、医療機関で早期診断を行うことをおすすめします。
簡単に他人へ感染するので、速やかに対応しましょう。
受診科
男性 | 皮膚科、泌尿器科、性病科 |
---|---|
女性 | 皮膚科、婦人科(産婦人科)、性病科 |
治療費用は?
診察料 | 3,000円〜5,000円 |
---|---|
検査代 | 2,000円 |
薬代 | 3,000円〜(薬局で購入) |
※上記は、保険適応でない場合のおおよその金額です。保険適用の場合は、上記金額の3割負担となります。保険適用されるか否かについては、病院の治療方針などによって、様々です。
感染後1〜2ヵ月後に症状が出るため、1〜2ヵ月前に性交渉のあったパートナーの検査も必要です。
性交渉以外の感染もあるので、家族内での感染がないか調べることも重要です。
ケジラミ症の検査・診断・治療の流れ
検査について
患部の視診を行い、ケジラミやその卵の確認を行います。
検査のタイミング
症状が出なくてもケジラミを発見できれば検査可能です。
治療について
シャンプーやパウダーを使用
ケジラミの寄生場所を専用のシャンプーやパウダーで洗い落とし、殺虫します。
治療の流れ
- 感染していると診断された
- 2週間ほどシャンプーやパウダーなどの薬剤を使用します
- フェノトリンシャンプー(スミスリンL)
フェノトリンパウダー(スミスリンパウダー)
※市販薬として販売しています。
シャンプーの場合は、3〜5mlを陰毛に塗り、5分後に洗い落とします。
パウダーの場合は、ケジラミの寄生場所に適量を散布し、1〜2時間後に洗い落とします。
これらの薬剤は卵には効果が弱いので、卵がかえる期間を見込んで、3〜4日ごとに3〜5回繰り返します。
- 症状が無くなった
- ケジラミと卵が全て駆除され、かゆみの症状がなくなれば治ったことになります。
陰毛以外にも寄生していないか注意してください。人から離れたケジラミはある期間(48時間程度)生存している可能性があるので、衣類や寝具などを、熱処理やドライクリーニングすることをおすすめします。
ケジラミ症の予防について
予防について
ケジラミは、残念ながらコンドームでは予防できません。
他のSTDとの合併に注意
ケジラミ症と同時に他のSTD(性病)に感染していることも多いため、梅毒やHIV(エイズウイルス)などの検査を行うことが望まれます。