ヘルペスの解説 症状や感染経路・検査や治療について
ヘルペスって、どんな病気?
- 排尿しづらいほどの痛みも
- 水疱のようなものができ、破れた後にただれた状態になり、強く痛みます。女性が初めて感染した場合は、排尿が辛いほどの強い痛みになると言われています。
- 口唇ヘルペスとの違いは?
- 原因のウイルスは2種類あり、口唇は1型、性器は2型のウイルスが感染すると言われていました。最近ではオーラルセックスの一般化にともない、1型・2型の区別はなくなってきています。
- 再発を抑える治療あり
- 原因のウイルスを死滅させることはできませんが、再発を抑える治療があります。
「単純ヘルペスウイルス」の1型または2型の感染によって起こる病気です。正式な病名は「性器ヘルペス」といいます。
どうしてうつるの?
(ヘルペスの感染経路)
ヘルペスは
- ヘルペスの症状が出ている部分との接触により感染します。
- 症状が出ていないときでも、性器の皮ふや粘膜にウイルスが出てきて、パートナーに感染することもあります。
オーラルセックスでの感染は…
- 口唇ヘルペスの症状がある時にオーラルセックスをすると、相手の性器に感染します。性器のような粘膜以外の胸やおしりなどへも感染することがあります。
口唇ヘルペスを発症しているときは、オーラルセックスを避けましょう。
こんなリスクもあります
- 性器にヘルペスの症状が出ている時に出産すると、赤ちゃんに感染する可能性があります。母子感染を防ぐため、お産の時にヘルペスの病変部がある場合は、帝王切開がすすめられています。
ヘルペスの症状って?
男性、女性、ともに同じような症状が出ます。
女性の初感染で早期治療できなかった場合、激しい痛みを伴うことがあります。
男性器の症状
初めての感染で症状が出た場合
- 最初は患部の表面にヒリヒリ感やむずかゆさなどを感じます。
2〜10日ぐらいでかゆみを伴った1〜2mmの赤いブツブツや水ぶくれができます。
それが破れて潰瘍潰瘍(かいよう)皮膚・粘膜などの表面が炎症をおこして崩れ落ち、内部の組織まで傷が及ぶこと。
(ただれたようなもの)ができます。
強い痛みがあり発熱を伴うことがあります。同時に太もものリンパ節リンパ節(りんぱせつ)全身にはりめぐらされているリンパ管の所々に存在する、粟粒大や大豆大の膨らみ。内部には、リンパ球やマクロファージが充満し、異物や細菌をすくいあげるフィルターのような機能や、リンパ球・抗体を作り出す機能を持つ。
の腫れや痛みが見られます。亀頭亀頭(きとう)男性の陰茎の先端部を指す。先端には尿道口がある。皮膚は薄く、皮膚の下には尿道海綿体がある。
や陰茎体部陰茎体部(いんけいたいぶ)陰茎の亀頭を除く胴体部分。
に症状が出ることが多いですが、太ももやおしり、肛門肛門(こうもん)消化器官の末端に位置し、直腸から体外への開口部。大便を排泄する箇所。
周囲、直腸粘膜直腸粘膜(ちょくちょうねんまく)直腸(消化管のうち、大腸のS状結腸に続く最終部分。下端が肛門)の粘膜。
に出ることもあります。
感染したときは症状がなく、
その後初めて症状が出た場合
- 初感染の場合よりも症状は軽いことが多く、治るまでの期間も短くなります。
再発した場合
- 1年以内に8割以上が再発すると言われています。
過労・セックス・ストレスなどの刺激で再発することが多く、初感染の時と同じ箇所、またはおしりや太ももに水疱や潰瘍ができます。
初感染の場合よりも症状は軽いことが多く、治るまでの期間も短くなります。
女性器の症状
初めての感染で症状が出た場合
- 水ぶくれや潰瘍
潰瘍(かいよう)皮膚・粘膜などの表面が炎症をおこして崩れ落ち、内部の組織まで傷が及ぶこと。
(ただれたようなもの)ができます。
強い痛みで排尿が困難になることもあり、発熱を伴うこともあります。
同時に太もものリンパ節リンパ節(りんぱせつ)全身にはりめぐらされているリンパ管の所々に存在する、粟粒大や大豆大の膨らみ。内部には、リンパ球やマクロファージが充満し、異物や細菌をすくいあげるフィルターのような機能や、リンパ球・抗体を作り出す機能を持つ。
の腫れや痛みがみられます。
症状は、外陰、腟の入口とおしりにみられます。
子宮頸管子宮頸管(しきゅうけいかん)子宮の下部三分の一ほどの、円柱状になっている部分。女性性器の中でも感染を受けやすい部分。
や膀胱膀胱(ぼうこう)骨盤内にあり、腎臓から送られてくる尿を一時的にたくわえておく袋状の器官。男性では直腸の前、女性では子宮・腟の前にある。
にまで感染が広がることもあります。
感染したときは症状がなく、
その後初めて症状が出た場合
- 初感染の場合よりも症状は軽いことが多く、治るまでの期間も短くなります。
再発した場合
- 1年以内に8割以上が再発すると言われています。
過労・セックス・ストレスなどの刺激で再発することが多く、性器またはおしりや太ももに水疱や潰瘍ができます。
再発する前に、腟の入口の違和感や太もも周辺に神経痛のような痛みなどの前兆が見られることもあります。
初感染の場合よりも症状は軽いことが多く、治るまで期間も短くなります。
口やのど(口腔咽頭)の症状
初めて症状が出た場合
- のどの強い痛み
- つばを飲み込む時の痛み(嚥下痛:えんげつう)
- 摂食障害
- 高熱
- くびのリンパ節の腫れ
- 扁桃が赤く腫れる
- 白い膿 など
再発した場合
- のどの痛みや、ヒリヒリ
ヘルペスを解決する
病院へ行く
明らかな自覚症状がある場合は、
医療機関で早期診断を行うことをおすすめします。
受診科
男性 | 泌尿器科、皮膚科、性病科 |
---|---|
女性 | 婦人科(産婦人科)、皮膚科、性病科 |
口腔感染 | 耳鼻咽喉科、皮膚科 |
治療費用は?
診察料 | 3,000円〜5,000円 |
---|---|
検査代 | 2,000円〜10,000円 |
薬代 | 3,000円〜 |
※上記は、保険適応でない場合のおおよその金額です。保険適用の場合は、上記金額の3割負担となります。保険適用されるか否かについては、病院の治療方針などによって、様々です。
パートナーの感染率も高いので、2人同時の検査や治療が必要です。
ヘルペスの検査・診断・治療の流れ
検査について
病変部分からウイルス感染細胞を綿棒で採取し、検査を行います。
検査のタイミング
症状が出て、ウイルスを採取できる状態であれば検査可能。
治療について
重症例では点滴治療も
5〜10日間、薬を服用します。軽い症状では軟膏を塗布します。
治療の流れ
- 感染していると診断された
- 5〜10日間薬を内服 または軟膏塗布
- 単純ヘルペスウイルスの増殖を抑制する、
抗ヘルペスウイルス内服薬としてバラシクロビル(バルトレックス)、ファムシクロビル(ファムビル)。
軽い症状では軟膏塗布としてビタラビン(アラセナ)。
重い症状では、入院して点滴治療も行います。
- 病変部分が治った
- 病変部分の症状は治りますが、
ヘルペスウイルスは神経節に潜伏します。
現在のところ、神経節に潜伏するウイルスを排除して完治させることはできません。
過労・ストレス・セックスなどのさまざまな刺激でウイルスが再び活性化して皮膚や粘膜に戻り、症状が再発することがあります。
繰り返す再発には、ウイルスの増殖を抑える治療もありますので、医師にご相談ください。
ヘルペスの予防について
予防について
コンドームの使用がすすめられていますが、病変部などとの接触により感染するので、コンドームの使用だけでは完全な予防はできません。
症状が出ている時の性行為は避けましょう。