淋病の解説 症状や感染経路・検査や治療について
淋病って、どんな病気?
- 男性の尿道感染はうみと激痛!女性は無症状の場合も多くあります
- 治療せずに放っておくと、女性では不妊症や子宮外妊娠の原因となります。
- 特にオーラルセックスに注意!
- オーラルセックスの増加により、のどへの感染が広まっています。
淋菌がのどに感染した場合、症状を感じることはほとんどないため、感染を広げる温床になっているのでは、と言われています。
- 男性に多いSTD(性病)です
- 性風俗でのオーラルセックス(フェラチオ)による感染が多いと言われています。
- 1回のセックスでの感染率は20〜50%
- 1回のセックスでの感染率は20〜50%と高く、また淋菌に感染した人のうち、クラミジアに同時感染している人が20〜30%いると言われています。
- 薬が効かない耐性菌が問題に
- 抗菌薬(抗生物質)の乱用によって、薬が効かないタイプの淋菌が増え、治療が難しくなっています。淋病は特に、治ったことを確認することが大切です。
「淋菌(Neisseria gonorrhoeae)」という病原菌が、性器やのど、直腸などに感染します。STD(性病・性感染症)の一種で、正式な病名は「淋菌感染症」といいます。
どうしてうつるの?
(淋病の感染経路)
淋病は
- 性行為(セックス、オーラルセックス、アナルセックス)により感染します。1回の性行為における感染率は20〜50%とも言われています。
- 精液や腟分泌液、感染した箇所の粘膜に存在する淋菌が、相手の粘膜に接触して感染します。
- 最近ではオーラルセックスが一般的になっているので、性器だけでなく咽頭(のど)への感染も広がっています。
- キスや回し飲み程度の接触で感染するリスクは極めて低いと言えます。 唾液による感染の可能性は否定できませんが、学会発表や論文などでの研究データの報告はありません。
オーラルセックスでの感染は…
- ペニスに感染している人にフェラチオをした
→自分ののどに感染する可能性があります。 - のどに感染している人にフェラチオをされた
→自分のペニスに感染する可能性があります。
※クンニリングスでも同じように感染します。
こんなリスクもあります
- アナルセックスによって、直腸へ感染することもあります。
- 淋菌を含む体液がついた手で目をこすったりすると、目に感染することもまれにあります。
- 出産時に感染していると、赤ちゃんにうつることがあります(母子感染)。妊婦の方は、必ず妊婦検診を受けてください。
淋病の症状って?
淋菌が男性の尿道に感染した場合は、激しい痛みや多量の膿(うみ)が出るのが特徴ですが、咽頭(のど)や女性の腟への感染では症状が出ないことが多いと言われています。
感染に気づかないまま、パートナーに感染させる可能性があります。なお、淋菌に感染してから発症するまでの期間(潜伏期間)は、男性の尿道炎で2〜7日とされています。
男性器の症状
尿道尿道(にょうどう)尿を膀胱から体外に排出するための管。女性の尿道は、男性に比べて太く短い。男性の場合、陰茎を通り精管と合流するため、生殖器でもある。
に症状が出るのが特徴です。
主な症状
- 排尿時の激しい痛み
- 尿道から白っぽい膿(うみ)が出る
- 尿道のかゆみや不快感
- 精巣上体(副睾丸)の腫れ
- 軽い発熱や痛み
尿道からのうみは、白っぽい色で(やや黄色気味の場合もあります)、 粘り気があります。量は多いです。
クラミジアの症状と似ていますが、淋菌の方が症状が激しいのが特徴です。クラミジアでは、尿道の不快感・さらっとしたうみが出る一方、淋菌では、激しい排尿痛・粘りのあるうみが出ます。
放っておくとどうなるの?
感染に気づかず放置すると、淋菌が尿道から前立腺や精巣まで入り込み、前立腺炎前立腺炎 (ぜんりつせんえん)前立腺の炎症。尿道から侵入した細菌が前立腺にも感染し、発熱とともに前立腺が大きく腫れ、排尿困難、残尿感、頻尿、排尿時痛などの症状が出る。急性型と慢性型に大別される。
や精巣上体炎精巣上体炎 (せいそうじょうたいえん)精巣上体に細菌が侵入し、発熱・局所の肥大・痛みなどの症状がでる。大腸菌などの雑菌によって起きる場合と、性感染症としてクラミジア尿道炎などに合併して起きる場合がある。
(精巣が痛み赤く腫れる)になることもあります。完治しないと無精子症無精子症(むせいししょう)精液中に精子がまったく含まれていない状態。男性側の不妊の原因のひとつ。
になることもあります。
女性器の症状
子宮の入口(子宮頸管)子宮頸管(しきゅうけいかん)子宮の下部三分の一ほどの、円柱状になっている部分。女性性器の中でも感染を受けやすい部分。
に炎症が起こり、おりものなどの症状が出ます。
主な症状
- おりものの増加
- 生理以外の出血(不正出血)
- 下腹部の痛み
- 性交時の痛み
おりものが増える、といった症状を感じる場合もありますが、においなどの変化はほとんどありません。感染に気づきにくいため、潜伏期間ははっきり分かりません。そのままにしていると、淋菌が体の奥に広がり、重い病気につながることがあります。
放っておくとどうなるの?
- 感染に気づかず放置すると、淋病が体の奥へと進んでいき、さまざまな病気(卵管炎
卵管炎(らんかんえん)卵管の細菌感染などにより炎症を起こした状態。クラミジアや淋菌などの感染によって子宮頸管炎が起こり、感染が徐々に子宮の中に広がり、卵管まで炎症がおこるケースが多く、子宮卵管炎と呼ばれることもある。卵管は、卵巣から受精卵を子宮まで運ぶ通路の役割を担っているので、卵管炎を起こすと不妊の原因となりやすい。
や骨盤内炎症性疾患(PID)、肝周囲炎など)を引き起こします。 - 淋菌に感染したまま出産すると、赤ちゃんに感染することがあります。必ず妊婦健診を受けましょう。
咽頭(のど)の症状
咽頭(のど)の粘膜に感染し、まれに咽頭炎のような症状が出ます。
主な症状
- のどの腫れ
- のどの痛み
- 発熱など
※症状が出ることはほどんどありません。
放っておくとどうなるの?
無症状でも、パートナーに感染させる可能性はあります。
オーラルセックスでの感染があまり知られていないために、予防ができず、口腔内が感染の温床になっているとも言われています。
このような症状も考えられます
直腸へ感染した場合
- 肛門のかゆみ、不快感
- アナルセックス時の痛み
- 下痢、血便
眼へ感染した場合
- まぶたの腫れ
- 白目がゼリー状に盛り上がる
- 膿(うみ)が出る
(淋菌性結膜炎)
淋病を解決する
病院へ行く
明らかな自覚症状がある場合は、
医療機関の受診をおすすめします。
受診科
男性 | 泌尿器科、性病科 |
---|---|
女性 | 婦人科(産婦人科)、性病科 |
咽頭感染 | 性病科、耳鼻咽喉科 |
※咽頭・直腸・眼の感染については、まずは性感染症に詳しい医療機関への相談がおすすめです。
治療費用は?
診察料 | 3,000円〜5,000円 |
---|---|
検査代 | 4,000円〜 |
薬代 | 3,000円〜 |
※上記は、保険適応でない場合のおおよその金額です。保険適用の場合は、上記金額の3割負担となります。保険適用されるか否かについては、病院の治療方針などによって、様々です。
淋病は、基本的に自然治癒することはありませんが、治療すれば完治できる病気です。
パートナーにも感染している場合が多いため、2人同時の受診がおすすめです。
検査キットを利用する
女性の場合、症状が出にくい淋菌。
受診しづらい方には、
こんな検査の受け方もあります。
- STDチェッカーとは
- HIV/エイズ・クラミジア・梅毒など、
STD(性感染症・性病)の
郵送検査サービスです。
- 01匿名検査で
安心 - 02丁寧な
フォロー - 03信頼性
- 「検査」がとても身近に!
プライバシー重視の匿名検査 - ・自宅でとって
・郵送します
・結果はWEBで!
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お悩み解決のお手伝い! - ・専門員のコールセンター対応
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- 郵送検査認定事業者
高水準の検査サービス - ・大学や研究機関との共同研究
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・業界のリーディングカンパニーです
郵送検査認定事業者(性感染症分野)
No.JFSHM-2014-001
株式会社アルバコーポレーション
淋病の検査・診断・治療の流れ
検査について
症状が無くても検査できます。
淋病の主な検査方法
基本的に、下記の検査物を採取して調べます。
男性器への感染 | 初尿、うみ |
---|---|
女性器への感染 | 腟ぬぐい液 |
咽頭への感染 | 咽頭周辺のうがい液やぬぐい液 |
直腸への感染 | 肛門周辺のぬぐい液 |
検査のタイミング
感染の機会からすぐに検査できます。
- 淋病検査の解説
もっと詳しく
治療について
1日〜7日間、筋肉注射や静脈注射、点滴などを症状に応じて実施します。
1回の注射で済む場合もあります。
治療の流れ
- 感染していると診断された
- 1〜7日間、注射や点滴を打つ
- 1日〜7日間、筋肉注射や静脈注射、点滴などを症状に応じて実施します。
1回の注射で済む場合もあります。- セフェム系(ロセフィン)
- アミノグリコシド系(トロビシン)など
- 再検査でOKが出た
- おおよそ2週間後、淋菌が陰性になっていることを
確認して治療終了。
淋菌は、薬が効かない「薬剤耐性菌」が増えて治療薬が限られています。確実に有効で、保険がきく薬は、セフトリアキソン(ロセフィン)とスペクチノマイシン(トロビシン)のみとなっています。
医師の治療方針に従って完全に治し、再感染に気をつけましょう。
淋病の予防について
予防について
コンドームの使用で、セックス時の感染を防ぐ事ができます。
オーラルセックスやアナルセックスのときにも
使う必要があります。
予防できなかったときは…
早く見つけて、早く治す。
検査が大切!