疥癬の解説 症状や感染経路・検査や治療について
疥癬って、どんな病気?
- 激しいかゆみのブツブツ
- 「ヒゼンダニ(疥癬虫)」が感染して症状が出ます。首から下の全身に現れ、夜中にかゆみが強くなる傾向があります。
- 性行為以外の感染が多い
- 現在は、高齢者とその介護者に多く見られます。性的接触による感染は少なくなっています。
疥癬はダニの一種で、体長は0.2〜0.4mm程度なので、肉眼で見るのは困難です。メスは交尾後、人の皮膚の角質層にトンネルを掘り進み、10〜25個の卵を産み付けます。卵は3〜7日で幼虫となり、皮膚の上に出て2〜3日で成虫になります。幼虫やオスは皮膚表面をうろついたりし、メスのような定まった生活場所はありません。生存期間は、オスが約4週間、メスが約12週間です。
どうしてうつるの?
(疥癬の感染経路)
疥癬は
- ダニの一種である「ヒゼンダニ(疥癬虫)」が感染して症状が出ます。体長0.2〜0.4mm前後のダニで、肉眼では確認できません。
- 感染経路のうち、性行為による感染は、全体の10%程度と言われています。
- 寝具や衣類の共用からも感染します。現在は高齢者とその介護者への感染が多くなっています。
こんなリスクもあります
- 寝具や衣類の共用からも感染します。現在は高齢者とその介護者への感染が多くなっています。
疥癬の症状って?
男性、女性、ともに同じような症状が出ます。
症状(男女共通)
主な感染部位として、指の間、性器、内腿(うちもも)、わきの下、へその周囲など首から下の全身に見られます。
主な症状
- 激しいかゆみのある米粒の半分くらいの赤いブツブツやもう少し大きなしこり
- ミミズ腫れのような盛り上がった発疹※
※ 疥癬トンネル
5〜10mmのS字状に曲がったミミズ腫れのような発疹です。その内部には卵と糞があり、トンネルの先端にメスのヒゼンダニが潜んでいます。
疥癬を解決する
病院へ行く
明らかな自覚症状がある場合は、
医療機関で早期診断を行うことをおすすめします。
受診科
男性・女性 | 皮膚科、性病科 |
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治療費用は?
診察料 | 3,000円〜5,000円 |
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薬代 | 別途かかります |
※上記は、保険適応でない場合のおおよその金額です。保険適用の場合は、上記金額の3割負担となります。保険適用されるか否かについては、病院の治療方針などによって、様々です。
簡単に他人へ感染するので、速やかに対応しましょう。
疥癬の検査・診断・治療の流れ
検査について
患部の視診を行い、症状部分の皮膚を検査します。成虫や卵を確認します。
検査のタイミング
症状があれば検査可能です。
治療について
服薬や、入浴洗浄後、薬剤(軟膏やローション)を全身に塗ります。
また、衣類、寝具への殺虫剤散布、洗濯も行います。 治療と殺虫を同時に行うことが必要です。
治療の流れ
- 感染していると診断された
- 約1ヵ月ほど治療と殺虫を行います
- イベルメクチン(ストロメクトール錠)の服薬や、フェノトリン(スミスリンローション)を全身に塗ります。
衣類や寝具へは殺虫剤を使用します。
- 症状が無くなった
- ヒゼンダニの成虫と卵が全て駆除され、かゆみの症状がなくなれば治ったことになります。
疥癬は性行為以外でも、感染者との密接な接触、
寝具や衣類の共有により感染することがあるので注意してください。
疥癬の予防について
予防について
疥癬は、性行為以外の感染も多く、コンドームで予防できません。
感染者と同じ部屋で布団を接して寝ている場合は、症状がなくても予防的に治療することが望ましいとされています。
感染してからの潜伏期が約1ヵ月あるので、症状が出る前に予防的に治療することで、ピンポン感染(相互感染)が防げます。