2018December
12月号
世界エイズデー企画
UPDATE!
HIV検査のこと
「私、HIVに
感染している
でしょうか…?」
12月1日は「世界エイズデー」。今年のテーマは、「UPDATE! エイズ治療のこと HIV検査のこと」。
2ヵ月にわたるエイズ特集。後半のテーマは「HIV検査」です。
前回の特集でご紹介したとおり、治療法の飛躍的な進歩によって、エイズは死につながる病気ではなくなりました。
もう、「怖くて検査を受けられない」という時代ではありません。どんどん気軽に受けてほしい検査です。
ただ、HIV検査を受けよう!と思っても、実際にはまだまだハードルはあるもの。
できれば受けたくないと思うのも自然な感情かもしれません。
そんなときは、いろいろなギモンが浮かんできます。
例えば、
「私、HIVに感染しているでしょうか…?(リスクがないならできれば受けたくないんだけど…)」
感染のリスクがあるかどうかを判断するには、まずは、HIVの感染経路を知る必要があります。
HIV(エイズウイルス)は、感染した人の血液、精液(さきばしり液含む)、腟分泌液、母乳といった体液に存在して、
これらが相手の粘膜部分(主に口の中、ペニス、尿道、腟、直腸など)に接触することで感染の可能性が出てきます。
よって、HIVの感染経路は、大きく分けると「性行為」「血液による感染」「母子感染」の3つになります。
では、ここでクイズです!
HIVに感染する可能性のあるものは、次のうちどれでしょう?
正解は
・
・
・
「C」です!
すこし難しかったでしょうか?
「C」のカミソリや歯ブラシの共有は、血液による感染の可能性があるため、感染リスクがありますが、トイレの共有や蚊に刺された、といったことでHIVに感染することはありません。
一般の日常生活において、「血液による感染」や「母子感染」の機会はそう多くありませんので、普段から注意したいのは、やはり性行為です。
性行為(腟性交)の際は、コンドームをしっかりと使用しておけば、前述の体液との接触が避けられるので基本的には安心です。
では、「もしコンドームが破れたら?」とか「キスした相手の口の中が出血していたら?」など、細かい部分でギモンが湧いてくるかもしれません。
それぞれ、「可能性」ということで、ある程度リスクの度合いを想定することはできますが、
一人ひとりの実際に起きた行為において、感染したかどうかを判断することはできません。
だから、HIV検査が必要なのです。
「症状から
感染しているか
わかりませんか?」
性行為からしばらくして、咳や熱などのインフルエンザのような症状が出ると、
「もしかしてHIV…?」というふうに不安になる方も多くいらっしゃいます。
しかし、症状の有無によって感染のリスクを判断することはできません。
HIV感染の初期症状として、熱が出るなどのインフルエンザのような症状が出ることがあると言われますが、何か症状が出たとしても、他の病気との違いがはっきりしないため、HIVが原因かどうかはわかりません。
それこそインフルエンザにかかっただけ、ということだって考えられます。
HIVに感染しているかどうかを知るには、やはりHIV検査を受けるしかありません。
「HIVに感染したかも…」というご不安があるときは、ぜひ検査を受けてみてください。
HIV検査は
どこで受けられる?
では、検査を受けよう!と思ったとき、どこで受けられるのでしょうか? 以下の3つのうち、正しいのはどれですか?
正解は
・
・
・
全部です!!
すこしずるいクイズでした。
HIV検査は、病院・保健所・自宅で受けることができます。
病院や保健所については、なんとなくイメージできた方も多かったかと思いますが、「自宅」で検査できることを知っている人はまだまだ少ないかもしれません。
最近は、自宅で受けられる検査、つまり「郵送検査」を受ける人が増えています。
郵送検査は、検査キットを注文し、自宅で採取、検査結果はウェブで確認できるサービスです。
匿名で、人と対面せずに都合のいいタイミングで受けることができるため、気軽に受けられる検査として、広がりつつあります。
さらに、ここ数年の間に、STDチェッカーのような検査キットがコミュニティースペースで配布されるようになったり、企業検診で郵送検査キット使用するモデル事業が始まったりなど、その利用領域がどんどん広がっています。
HIV検査にも
「世代」が
あるってご存じですか?
実は、HIVの「検査法」も進化しています。
開発の段階ごとに第1世代から第4世代まであり、最新の世代は「第4世代」です。
現在、病院や保健所で行われているHIV検査は、第3世代または第4世代の検査法となっています。
世代が進むにつれ、検出する対象が増えており、「P24抗原」も対象、つまり感染の機会から早い段階より検出できるようになりました。
なお、STD研究所がお届けするSTDチェッカーでは、第4世代の検査法で検査を実施しています。
UPDATE!
エイズ治療のこと
HIV検査のこと
2回に渡って、HIV/エイズの最新の情報についてお伝えしてきました。
エイズ治療もHIV検査も、以前に比べて格段に進歩しています。
ただ、治療が進歩しても、「感染を知らなければ」治療に繋がりません。
検査が進歩しても、「検査を受けなければ」感染を知ることができません。
つまり、皆さんの最初の一歩、HIV検査を受けてみることが大切です。
ぜひ、エイズ治療のこと、HIV検査のことをUPDATE!(アップデート)して、
気軽にHIV検査を受けてみてください。